大川法律事務所
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大川の趣味は、推理小説、奇術、将棋などです。
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羽生竜王「四分割思考法」という誤解
 10月27日にニコ二コ生放送を見ていた。
 この日から第4期叡王戦本戦トーナメントが始まり、開幕カードは及川拓馬六段対増田康宏六段であった。そして解説に佐藤天彦名人、聞き手が山口恵梨子女流二段と豪華である。
 戦型は「矢倉は終わった」発言で有名な増田六段自身が先手番でなんと矢倉模様。一方の後手番及川六段は、32金、41玉、22銀という形。
 これを見た佐藤名人が、名人戦で挑戦者稲葉陽八段とこのような形で闘ったことを紹介し、「左右で違う戦型であり、左側が矢倉、右側が横歩取りというミックスした感覚が面白い」と評した。
 この時である。聞き手の山口女流二段が「羽生先生が、昔、盤面を四分割して考えている、とおっしゃっていた」と紹介したのである。(注1)
 「四分割して考えている」
 これをして四分割思考法と呼ばれているが、この羽生流四分割思考法はわりと流布しているのである。私の親しい将棋仲間も同じようなことを述べていた。羽生竜王は四分割して考えている、と。ネット上も四分割思考法の用語は時折見かける。
 しかし、私はこれに違和感を持っていた。何故かというと、初心者のころ、相手から攻められると攻められている自玉の付近しか見ない。逆に攻めているときは敵玉を攻めているその部分しか見ない。意識して分割しなくても、一部分しか見ていないのである。そういう状態なので「盤面全体を見なさい」とよく教えられたものである。
 分割して考えるというのは、この広く見る手法と真逆であり、学習の進歩にも反する。それゆえ分割して考える思考法というのがどうにも違和感を覚えていたのである。ましてそれが羽生流という…。
 私は機会あれば、羽生竜王に尋ねてみたい、と思っていたが、実際に聞く機会などはない。タイトル戦の前夜祭に参加させてもらっても、そんな場所で聞けるものでもない。
 そう思っていたところ、2018年5月11日に大阪弁護士会の法曹公正会主催の「羽生竜王講演会」が企画された。この講演会自体は弁護士対象であるが広く開かれたものであり、私も参加した(注2)。そしてその打ち上げの関係者だけの食事会に参加させてもらい、そこで羽生竜王に食事しながら話を聞くという望外の機会を得たのである。
 私にとっては至福の時である。円形テーブルで羽生竜王の隣席に座らせてもらい、いくつかの質問をさせて頂いたが、その一つがこの四分割思考法である(注3)。
 羽生竜王の答えは実に簡単なものであった。
 羽生竜王曰く「あれは盤面を覚える方法です」。
 要するに、将棋の思考法ではなかったのである。
 ではなぜ、「四分割記憶法」が「四分割思考法」になったのか。
 この四分割記憶法が紹介されたのは、『迷いながら、強くなる』(2013年11月発行・三笠書房)である。
 その中で「サイクル 季節のように『四分割して考える』思考法」という表題の下、羽生竜王は極めて興味深い指摘をしている。
 季節を四季と呼ぶのは人間が四分割になじみやすいからであり、ケーキも、ピザもとりあえず四分割するという一般的な話から、将棋の目隠し将棋の記憶法として「私は盤面を四分割して記憶する」と紹介する。そして再び一般論の話として、「将棋に限らず、わからなくなった時に、とりあえず分割して考える方法は有効です。」と述べている。
 これを普通に読めば、羽生竜王は、将棋の思考法として盤面四分割を提唱しているのではない。はっきりと目隠し将棋の記憶法、つまり盤面を記憶する方法として紹介しているのであり、将棋の思考法としてはどこにも四分割法を紹介していない。
 四分割記憶法を紹介したあとは、そこから一般論として「分割して考える方法は有効です」と言っているにすぎない。無論、この一般論はデカルトの「困難は分割せよ」以来の普遍的思考法といえるだろう。
 では何故四分割思考法が間違って流布されたのか。
 おそらく表題の「季節のように『四分割して考える』思考法」に引きずられたのであろう。ここから羽生竜王が将棋においても四分割思考法をとっていると誤読したものと思われる。
 これは私の推測だが、この表題は出版社がつけたのではないだろうか。
 ちなみに前述の佐藤天彦名人の左右の違いも、それぞれ分割して考えるというのではなく、ミックスが面白いと述べているのである。
 さてこの誤った四分割思考法。何故流布したかであるが、おそらく羽生竜王ファンが何ら疑わずに先の表題のまま受け入れたからではないだろうか。
 そうであれば改めて羽生竜王ブランドの驚異の浸透力を実感するとともに、結果として「常識を疑う」羽生イズム(注4)とは逆に、思い込みが流布しているという意外性に驚いてしまうのである。

(注1)棋界に詳しい山口女流二段ですらこのように誤って四分割思考法を紹介されたことが本稿執筆の動機である。
(注2)法曹公正会は大阪弁護士会の会派の一つ。当日、羽生竜王の講演会は約500名の参加であった。客席に関西所属の若手棋士が参加されていたのが印象的である。
(注3)羽生竜王へ好きに質問させてもらって歓談させてもらったことは私自身にとって楽しいものであるのみならず、将棋ファンにもおそらく非常に興味深いものであろうと思えるが、羽生竜王に公開を前提として質問したのではないゆえ明らかに出来ない。しかし本稿の「四分割思考法」の誤読は、『迷いながら、強くなる』をきちんと読めば分かることから投稿したものである。
(注4)平成30年版「将棋年鑑」で羽生竜王は、世の中で一番怖いものはなんですか?というアンケートに「常識」と答えている。 
(「将棋ペン倶楽部」2018年12月15日号に掲載)
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将棋インタビュアーとして
 子どものころからの将棋ファンである。とはいえ、大学の将棋部で自分の実力を十二分に思い知らされてからは専ら観戦将棋派に転向した。昨今の用語でいえば「見る将」ですね。弁護士になって30数年たつが(大阪弁護士会所属)相も変わらず、実戦派でなく観戦派である。
 このように将棋の実力は心もとないが、将棋好きであることは誰にも引けを取らないつもりである。
 それやこれで将棋に関する「月刊大阪弁護士会」の巻頭インタビューを二度させていただいた。 この「月刊大阪弁護士会」とは、大阪弁護士会の月刊誌であり主に弁護士が執筆者のためとかく全体的に堅くなりがちな会報を読みやすくするために 「オピニオン・スライス」と題して、冒頭に各界の著名人にインタビューをしている。 そして、その分野での活躍ぶりなどをお話し頂くとともに 弁護士・弁護士会についてコメント頂くというスタイルであり、 結構、好評の連載コーナーなのである。
 さて一度目は2014年春。将棋ファンならピンとくるであろう、あの電王戦が一番沸いた年である。インタビューのお相手は豊島将之七段。
 豊島七段は、知る人ぞ知る、棋界若手のホープであり、この年の将棋電王戦(棋士対コンピュータソフト)でも、人間(棋士)側連敗の後、見事にコンピュータソフトYSSに完勝したことで名を轟かせた。 インタビューはこの電王戦の話から、将棋観、ライバル、最強の棋士論から 趣味や「3月のライオン」まで、広範囲に話を伺った。私自身豊島七段の若いころからのファンであり、まあ、はっきり言って「役得」でした。
 豊島七段は誰もが知る通り人柄温厚な好青年ながら、盤上では「序盤・中盤・終盤、隙がない」。
 私が印象的であったのは、ソフトとの対局はきっと役に立つという自信に満ちた宣言である。但し、それが対人間の将棋に役立つのは少し時間がかかるとも言われていた。その後の豊島七段はタイトル戦に出場しつつも苦しんでいるようにも見える。しかしいよいよその力を発揮して成果を出されるのではないだろうか。
 そして二度目は2016年春、木村草太教授(首都大学東京大学院)である。マスコミにもよく登場され広く知られた憲法学者であるが、木村教授は知る人ぞ知る、その実力も折り紙付きの、熱心な将棋ファンでもある。同年の将棋名人戦第二局の観戦記も書かれた。将棋界とも付き合いがあり、しかも日本でただ一つ、大学で「将棋で学ぶ法的思考」という名の講座を持っておられる。かくて、私のインタビューは、将棋の話、先の大学の講座の話などを中心に伺った。丁度名人戦の最中と言うこともあって木村教授との将棋談義は実に楽しいものであったことを覚えている。掲載時の表題は「将棋と憲法~木村定跡この一手」副題の洒落も将棋ファンにはおわかりですね。
 これらのインタビューは、大阪弁護士会会報「月刊大阪弁護士会」に掲載され、そして、同時に、大阪弁護士会のホームページ(「読み物」欄のオピニオンスライスです)にアップされています。将棋ファンの皆さん、アクセスしてどうぞお楽しみください。
【将棋ペンクラブ・2016年12月号掲載】
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将棋観戦の魅力
 将棋ほど面白いものはない。遊びに通じた大橋巨泉氏が「あの面白い麻雀ですら将棋に比べれば児戯に等しい」と喝破していた。同感である。
 私が「将棋ファンである」と述べると、大抵「どれくらいの腕前ですか。何段ですか」と聞かれるが、実は私は「実践派」ではない。「観戦派」なのである。
 かつては腕に覚えがあって京大将棋部に属したこともあったのだが、鬼のようなアマチュアがいて到底かなわず、実践派から観戦派に転向した。以来、観戦マニアである。
 とりわけ昨秋から2012年度末までの、この半年間の将棋は面白い。実に面白すぎる。
 勝負の世界は何と言っても「世代対決」がいい。かつて谷川浩司対羽生善治の一連の対決ほど凄まじいものはなかった。この半年間の将棋界が面白いのは、谷川を倒したスーパースター羽生が、逆に受けて立つ立場で次世代のエース渡辺明と一連の対決を行ったからである。
 この両者の対決の愁眉は半年前2012年10月王座戦第4局であろう。羽生が大一番で「2手目3二飛戦法」という実に斬新な戦法で臨むも千日手差し直し(つまり引き分けやり直し)という死闘となる。深夜、そのまま続く差し直し局は、一転して、将棋の王道、矢倉戦で闘うというのであるから、これだけでも観ている方はゾクゾクするのである。結果は羽生が勝って王座を奪取。しかし、その後も渡辺の好調は続き、再び両者は、本年2月、名人挑戦権をかけるA級順位戦第八局で相まみえる。
 ここで渡辺が勝てば渡辺伝説が始まる、と誰しも思いその注目度は凄かった。現に渡辺優勢で終盤を迎えた。私は「2チャンネル」で、その対局を追っていたのだが、ファンのツィートが臨場感を高める。「渡辺勝ちだな」というツィートが溢れるが、やがて「あれ」という言葉にまじって「逆転じゃないか」「ああこれはひょっとしたら」「羽生マジックか」「羽生マジックだ」「出たあ、」とファンの興奮がそのまま伝わってくるのである。ここは見事羽生が勝つも、渡辺は竜王の他、王将、棋王を奪取して史上8人目の3冠王になった。多分、将棋史に残る、凄まじい半年なのである。
 それだけでも凄いのに、加えてコンピューターとの対局という「電王戦」もあった。人間の頭脳とは何か、という根源を考えさせてくれる。
 将棋観戦派にとっては何とも素晴らしい半年だったのである。
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私のストレス解消法

                ビール片手に…
 法友倶楽部会報編集部から「私のストレス解消法」という原稿を頼まれた。
 ストレス解消の一番の方法は、何といってもストレスの原因となっている元を絶つということであるが、こういう回答は身も蓋もない上、編集部の意図するところではあるまい。ぬるめのお風呂にゆったりと浸かった後にぐっすりと眠ること、などというのも、正しいであろうが、これもまた、まるで判決文のように面白みがない。
 では、私の場合は何か。ちょっとしたストレス発散というのであれば、ビール片手に、好きなことを楽しむ。これに尽きる。
 この「好きなこと」には、そのときどきの状態に応じて色々あてはまる。例えば、ビール片手に上質のミステリを読む。ひいきの作家の新作は言うまでもないが、疲れているときには名作の「再読」も良い。最近では、東野圭吾、ジェフリー・ディーヴァー、シャーロッキアーナ本というところである。自宅の書庫をうろうろしていると「おおっ、こんなのがあったか」と思わず読みいることもある。引っ越しや大掃除のときに思わず手を止めるアレですね…。
 或いは、ビール片手に、軽いパズル(数独など)や超短手数(1~3手詰)の詰め将棋を解くこともある。あたかも、頭脳の「素振り」という感じです…。ユーチューブで過去の将棋の名局を見るというのも飽きない。
 もっとも、これらは頭が働かないほどには疲れていないときである。頭を働かすのも疲れたときは、ビール片手にぼうーっと「DVD」を見るに限る。
 ときには、司法試験受験時代のころのDVDを見て「原点」に返ることもある。私の場合その一つに「ロッキー」がある。(ちなみに「ロッキー」はあくまで第一作に限る)
 酔いどれの落ちこぼれボクサーが、エキシビションとして世界チャンピオンと闘うチャンスを与えられる。立ち上がるきっかけの無かったどん底の主人公が、ついに、ついに、復活を目指して立ち上がる。ここがいい。この場面を見て勇気が沸き立つ。あたかもストイックな受験時代とダブらせるのである。DVDの画面は、主人公ロッキーの「早朝ランニング」に「片手腕立て伏せ」と厳しい訓練の模様を映し出す。そしてここで、音楽はあの有名な、ロッキーのテーマソングが流れる。♪…。
 このDVDを見て、元気が出ないはずがない。
 ときには「アンドレ・ザ・ジャイアント対スタン・ハンセン」。
 或いは「龍馬伝」を見て、涙してつぶやくこともある(「世の人は、我を何とも言わば言え、我がなす事は我のみぞ知る」)。
 要するに、お気に入りのDVDはストレス解消に最適です。
 …「センセー。センセー。いいDVDはいりましたよ」「どんなの」「まず画質がばっちりです。非常にきれいです」「ホント?」「ええ、今まで見えにくかったところもきれいに見えます」「といいながら買ってがっくりするもあるからね」「いやこれはそんなことありません。下からも撮っていますので、指使いのテクニックがよくわかります」「テクニックものはどうかね」「素人対象ですよ」「いくら」「5400円です」「高くない」「これはそこらにない掘り出しモノですよ」
 …ディーラーの言葉に乗せられて、「マジックの種明かしDVD」を買う。
 面白ければよし。そうでなくともそれはそれ、このマジックの世界、そういうことも含めてこれもまた楽しみの一つである。
(2012年12月21日発行「法友」122号より一部修正)
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推理小説
 子供の頃より魅せられてきました。分かる人には分かるポプラ社世代です。
 現在、日本シャーロックホームズクラブ(会員歴25年)、デイオゲネスクラブなどに所属しています。京都大学時代、推理小説研究会を、呼びかけた仲間と共に立ち上げました。
 学生時代は、ミステリの創作、読書会などを行い、学外向けの会誌「蒼鴉城」は、マニアに知られるところまでになりました。
 その京都大学推理小説研究会も、2004年、丁度結成30周年を迎えました。
 京都大学推理小説研究会からは私のような法律家と推理作家(綾辻行人氏、法月綸太郎氏、小野不由美氏など)を多数生んでいます。一つのサークルから2つの異なる分野に、いずれも多数送り出しているのは珍しいと思います。
 2004年5月4日午後1時より京大会館にて京大推理小説30周年記念シンポジウムを開催しました。
 第一部が、私(大川)と板東浩一氏の創設秘話と題する対談。
 第二部は、綾辻行人氏、法月綸太郎氏、我孫子武丸氏、摩耶雄高氏という、現役作家諸氏の座談会という豪華版。会場は、満員で大盛況のうちに終わりました。

 その後、2009年には、別項の通り、私の学生時代の作品「ナイト捜し」が、綾辻さんのご尽力で「綾辻行人と有栖川有栖のミステリ・ジョッキー2」(講談社)に掲載されました。若かりし頃の作品が35年の時を経て、日の目を見るというのは実に感慨深いものです。
 この「ナイト捜し」は幸いなことに好評をもって迎え入れられました。ミステリファンは、自分のブログを持っていたり、あるいはネットの投稿欄にメールしたりしますが、私が、インターネット上で「ナイト捜し」の感想を検索した限りでは嬉しいことにいずれも好評でした。

 嬉しいことは続くもので、「ミステリ・ジョッキー」掲載を知って日本シャーロック・ホームズ関西支部から、講演の依頼とそしてシャーロック・ホームズ研究専門誌「紀要」への投稿を頼まれました。
 先の講演を元にした論考を投稿したのが下記の通りです。
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 この論考にも触れていますが、京大推理小説研究会(京大ミステリ研)の初代メンバー(オリジナル・メンバー)の一人で当時私の論敵であった松田一郎氏は後に検事となり出世され、いまや大阪地検特捜部長です(2010年4月5日就任)。
 ミステリ研時代の論敵にして友人ですが、今、舞台を代えて弁護士と検事というのは実に面白いですね。
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奇術
 こちらも子供の頃からはまりました。京大時代は京大奇術研究会に所属。
 すきな分野は、クロースアップマジックにメンタルマジックです。
 司法試験の勉強をしていた頃気分転換をかねて、当時、阪神百貨店奇術売場所属のジョニー広瀬さん方でアルバイトをしていたことがあります。ジョニー広瀬さんは当時からその技術は絶品で、その後メジャーになりました。
 また当時親しくなった奇術仲間が現在キタ新地で「バーノンズバー」という奇術を見せるお酒の店を開いています。バーノンズバーは開店して10年以上となり、私は当初からのなじみの店です。昨今は、レギュラーマジシャンのムッシュ・ピエール氏がテレビで活躍し、全国的な人気者となった為、店は活気にあふれています。楽しい店ですのでマジックに 興味の有る方は一度足を運んでみて下さい。
  京都大学奇術研究会は、現在も続いており、毎年、学園祭(11月祭)で、その腕前を披露しています。我々の学生時代に比べて、会員数の多いことと、技術の高さに感心しています。
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