| コラム |
| 北新地マジックバー巡り |
私は実はこう見えても大のマジックファンです。これほど面白いエンターテインメントはありません。美味いビールを飲みながら、目の前で繰り広げられるカード捌きやコインの「消失」といった所謂テーブルマジックを見るのは至福のときです。
ときどき、マジックを「知性への挑戦」か何かのように考えて、ことさらにトリックを見破ろうとしたり、騙されることに腹を立てたりする人がいますが、残念です。
落語を聞きながら何故この話は面白いのか、と考える方はいませんよね。
音楽を聴きながら何故にこのメロディが感動を及ぼすのか、と考える人もいませんよね。
マジックも同じです。素直に「不思議さ」を楽しむ。これが一番です。
私は、宿泊を伴う出張が有れば必ず地元のマジックバーを探します。2010年10月に青森で行われた日弁連人権大会でも地元のマジックバーに寄ってきました。
普段は北新地のマジックバーです。といっても、ここ数年は多忙の為あまり行けませんでしたが、種々のお役の解けるこの4月から、再び北新地マジックバー巡りができそうです。
もっとも知人の話では、ブーム時には7~8件はあった店も、いつのまにか「消失」してしまったらしいですが…。(「法友」115号・2011年3月24日発行分より一部修正) |
 |
| ないな、可視化しかないな ~ 回文について |
大阪弁護士会館の横に懸垂幕塔が立っています。三面に掲げられたそのスローガンの一つが「取調の可視化」を目指すスローガンです。そして回文になっています。
スローガンを選ぶときに、回文であることに抵抗を示される弁護士もおられました。何やら「遊び半分」のように思われるのですね。
遊びといえば、確かに遊びですが、こういう言葉遊びは日本の文化の一つであり、うまく作られた回文は芸術的でもあります。
かつて弘兼憲史氏が週刊ポストに「回文塾」を連載したことから回文ファンも増えたようですが、回文の文献としては、土屋耕一氏の「軽い機敏な子猫何匹いるか」が古典的名著です。<まさに何様・闇から神谷>氏らの「逆さ言葉『回文』のすべて~まさか逆さま」も面白い。他にも回文の書物は幾つもありますが、この2冊はお薦めです。また、回文を題材にしたミステリには、泡坂妻夫氏の「喜劇悲喜劇」と、同氏に挑戦した鯨統一郎氏の「喜劇ひく悲喜劇」がありますが、前者が秀逸です。
回文ファンはもとよりそうでない方もぜひとも回文の妙を味わってほしいものです。
さて話を戻して「可視化」です。京都弁護士会は「可視化シカ」という鹿をトレードマークにしました。
弁護士会の進める可視化実現運動は、今や、回文と共に広がりつつあります(ホンマですよ…)。(「法友」115号・2011年3月24日発行分より一部修正) |
 |
| 弁護士会館エレベーターの謎 〜 マーフィーの法則 |
大阪弁護士会館のエレベーターは東から西へ4台並んでいます。
といっても実際に会館を訪れた人でないとわかりにくいと思いますが、会館入り口を入ってすぐを右折し、また右折したところに、手前から奥へと4台並んでいるのです。
手前から奥へ、というのが味噌で、要するに奥まで歩くのは面倒なのです。
この4台並んでいるエレベーターを利用された皆さん。エレベーターボタンを押したときにどのエレベーターが来るでしょうか。
実際に来るのは一番奥の(つまり西側で一番遠いところにある)エレベーターであることが多いと感じませんか。
2008年に私が大阪弁護士会副会長にさせて頂いたとき、それこそ一日に、何度も、何度も、エレベータを利用しました。
おかしい。
一番遠いエレベーターが来るのが多いのではないか。
(私だけでなく某副会長も同じことを言ってました)。
このように思うと、私は、どうしても「確かめてみたい」という「好奇心」に勝てないんですね。そこで私は、これを実証しようと思い、データをとることにしました。「暇やなー」と思われた皆さん。データとるのは手間暇のかかることではありません。エレベーターをABCDと区別し、単純に利用の度に、A、B、C、Dをメモればいいだけです。
2008年4月から6月とデータをとりましたが、結論は、なんと、優位差のある傾向は全く見られませんでした。
う~ん。マーフィーの法則が正しい。知ってますよね、マーフィーの法則。つまり自分にとって不快なことは、拡大して印象に残る。このことが、却って立証されました。(「法友」113号・2010年7月31日発行分より一部修正) |
 |
| 合理的な理由がないとはいえないということはできない |
表題を見て、なんとわかりにくい下手くそな文章か、と思われたでしょう。3重否定の文章ですからね。実はこれは私が1989年以来20年以上にわたって係わった昭和シェル労組事件の2010年5月13日東京高裁判決に出てくる一文で、判決にはこの言い回しが繰り返し何度も出てきます。
事件そのものは、労働組合差別により不当な賃金差別査定を受けた組合員らがその是正を求めて、1989年に労働委員会に不当労働行為救済申し立てを行ったものですが、地労委(当時)の組合側勝訴、中労委の組合側勝訴を経たあと、東京地裁は中労委命令を取り消すという逆転判決を言い渡し、東京高裁判決はこれを再度ひっくり返したためにこういう表現になりました(詳細は省略します。関心ある方は「労働判例」1107号をお読み下さい)。
つまり事実認定の手法として東京地裁は組合に厳しい立証責任を負わし、「(賃金の差が生じたことに)合理的な理由がない」ことを組合側が立証すべきとした上で、そして、「合理的な理由がないとはいえない」として、組合側を負かしたのです。ところが、東京高裁は立証責任を組合側に緩和して、事実上会社に負わせました。だから上記の「合理的な理由がないとはいえない」を否定したことから、前述の3重否定となったという次第です。
判決文のわかりにくさは定評がありますが、これは「やむを得ないと言えなくもない」ですね。(「法友」114号・2010年12月30日発行分より一部修正) |
 |
| 大阪刑務所運動会は大騒ぎ |
2010年10月1日大阪刑務所運動会を見学しました。実は刑務所では、受刑者の福利厚生のために年に一回運動会が開かれています。私は、2009年に大阪弁護士会推薦で大阪刑務所視察委員に任命されている関係から招待されました。
驚きました。凄いですね。
最初に運動場に入って、目に入ったものは、小学校の運動会と同じです。テント席があり、万国旗が架かり、場内は白線でコースラインがひかれています。軽妙な音楽がなっています。そして、競技種目も、200mに、リレーに障害物競走にと…。
しかし、台本が同じドラマでも、役者が違えば、出来映えが違うように、刑務所運動会は少し様相が違いました。各工場別対抗戦ですが、代表選手入場から大騒ぎです(もとい。「大騒ぎ」ではなくて「応援」です。しかし、やたら、「オーオー」とか大声が聞こえる。)。大会長挨拶、来賓挨拶と続いて審判長注意。「故意に接触しないように」「タイヤ競争ではタイヤを投げないように…」。ええっ、そんな注意せなあかんの?
さて競技開始。競技自体はみんな真面目です。全力で競争するのは見ていて気持ちいい。でもズルする人もいます(スプーン競争で、ボールを運ぶのにスプーンの柄を持つべきところ、お~い。お椀の部分を持って運んでるやないか…。)。
応援が凄い。「おおう」「おっらあ」「よっしゃあ」と言った声がやたらに聞こえる。統制のとれた工場区はグループの前に出たリーダーが、センスをもって音頭をとって「わっしょい」「わっしょい」の大合唱。結局、これはストレス解消なんですね。日頃、太陽の下で大声をあげることが少ないから、みんなこの日を楽しみにしているという一日でした。
職員の方は大変です。本当にご苦労さまでした(尚、委員は「守秘義務」を負っていますので、すでに公開されている情報など、支障がないと思われる範囲で書いています。)。(「法友」114号・2010年12月30日発行分より一部修正 |
 |